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宿題が分からずパニック!そんな子どもたちに効果的な事前アプローチ。

新型コロナウイルスの感染拡大により、大人でさえ先が見えずに不安な日々を送る中、「見通しがないことが人一倍苦手で不安定になりやすい」パステルカラーの子どもたちの様子が気がかりです。

 更には、通常より長時間子どもと接する事になるご両親が、子育ての中で追い詰められてしまっているのではないか、という事も気になっていました。そこで、発達に気になるところのあるPASTELカラーの子どもの個別療育などを行っている「こども発達療育相談PASTEL」からのメッセージ第11弾!

「宿題でパニックになりがちな子どもたちがスムーズに家庭学習できるようになるために」というお話です。

 


 

学校生活の中で、「宿題が分からない!」とパニック(癇癪)が増え、親子でストレスを抱えているケースがよくあるようです。
日常の家庭学習をスムーズに進めるために、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

 

かおり先生
かおり先生

宿題をやっていて「ワーワー」とパニックになる子ってけっこう多いんですよね。その問題が難しくてできないときに「宿題のレベルや量がその子に合ってないんじゃないかな?」という視点でまず考えます。

 

同時に、全部が分からないんじゃなく、一部分からない問題があるのであれば、「それはお母さんに教えてもらって解くべきものなのか?」という点も確認したいです。

 

お母さんやお父さんに教えてもらってスムーズに行く子は良いのですが、ご両親から教えてもらうやり方が学校で先生に教えてもらったやり方とは違うなどで混乱を招いて、どうしてもうまくいかない子もいます。

 

そんなときは、「分からないところは空けておいて、明日学校で先生に聞けばいいよ」と伝えてもいいと思うんですよね。実際にパニックになったときにどう対応するかよりも、また同じようにパニックにならなくて済むような手立てをとるのが重要だと考えます。

 

最近の学校教育で、特別支援学級の先生方が「アンガーマネジメント」に基づいて子どもたちに対応しているとよく聞くようになりました。

 

これは子どもがイライラしたときに、どう気持ちをおさめましょうか、っていうアプローチ。ただ、残念ながらうまく行ってないことが多いようで…。

 

それはなぜかというと、事後対応のアプローチを考えすぎてしまっているんじゃないかなと推測しています。パニックになる前の段階で、アプローチできることがないだろうかっていう予防的な視点が少ないことが原因かもしれません。

 

予防的な視点で考えると、宿題で分からない問題があったときに「ぎゃーっ」とパニックになるのは、そういう場面でどういう発信をしたらうまく行くかという経験がその子たちには明らかに乏しいんですよね。

 

ちょっとイラッとした段階で「分からないから手伝って」と子どもが言えて、お母さんが教えてくれる家庭だったら、「ちょいイラッ」の段階で対策が取れるかもしれない。

 

でも、たとえば兄弟が多くて宿題が分からずイラッとしたときに他の兄弟に手がかかっていて、1~2くらいのイライラレベルだったのが、一生懸命ひとりで考えていたらお母さんが気づいたときにはイライラがMAXレベルの10になってしまって、ブチ切れて鉛筆を投げている状態になっちゃってるかもしれない。

 

だからこそ竹野が言ったように、やり過ごす方法を事前に知っておくことが重要なんです。例えば兄弟が多くてお母さんに余裕がないご家庭だったら、分からない問題にぶち当たったときに、問題に丸をつけて飛ばすっていう練習を落ち着いているときに練習しておく。これが癇癪を起こした後の対応を考えようとすると基本うまくいかないんですよね。

 

なので、アンガーマネジメントや癇癪時の対応も、事前学習しておくっていう基礎がすごく大切。「手伝ってください」「教えてください」っていう発信を日常的にできるようになっておく必要があります。「教えてください」と言えても、ご両親から「待って」と言われることだってある。そういうときに、どうやり過ごすか。

 

問題を飛ばせない子には、隣について大人が一緒に飛ばす練習をしてあげる必要があるんです。宿題は授業の一環なので、分からないところは学校の先生に教えてもらうほうが良い場合も多い。どこを分かっていないのか学校の先生に知ってもらうことも大切だったりするし、お母さんがひとりで抱えないでほしいなと思います。

なつみ先生
なつみ先生

 

パステルカラーの子どもたちがスムーズに家庭学習ができるようになるポイントまとめ

  1. 「パニックになった後どうするか」よりも、パニックにならないよう手立てを考えることが大切。
    宿題がその子のレベルに合った内容や量になっているのかなどを先生と相談して調整をする。
  2. 調子の良いときに大人が隣について、宿題がわからなかったときの対応方法を繰り返し事前に練習しておく。
  3. 宿題は家庭でのこととお母さんがひとりで抱え込まずに、学校の先生や相談機関に相談をする。