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限界寸前のお母さんたちへ周囲ができること②

新型コロナウイルスの感染拡大により、大人でさえ先が見えずに不安な日々を送る中、
「見通しがないことが人一倍苦手で不安定になりやすい」パステルカラーの子どもたちの様子が気がかりです。

更には、通常より長時間子どもと接する事になるご両親が、子育ての中で追い詰められてしまっているのではないか、という事も気になっていました。

そこで、発達に気になるところのあるPASTELカラーの子どもの個別療育などを行っている「こども発達療育相談PASTEL」からのメッセージ第五弾の後編!

今回は、ただでさえ孤立しがちなパステルカラーのお子さんを育てるお母さんたちへの応援&味方を増やすべく、「SOSが出しにくいお母さんたちの背景と、困ったときの相談先」についてのお話です。

 


 

前回のコラムは、「周囲は何ができるのか?お母さんたちからの精一杯のSOSをキャッチする方法」がテーマでした。
そもそも、悩んでいるお母さんたちが周囲にSOSを発信しづらいのは、「うちはそこまで大変ではないのかも…」と我慢したり、「何かを言うと、『これやってないですよね』と言われるんじゃないか」という不安や恐れが根底にあったりするんでしょうか?
 

 

なつみ先生
なつみ先生

それはあるかもしれませんね。

あるお母さんがお話しされていたことで印象的だったことがありました。「うちの子は他のお子さんよりできないことが多いし、定型発達児のママのコミュニティにはまず入れない。

 

だからパステルカラーの子のママたちといるけど、その中でも劣等感を感じる。うちの子は自閉度が重いし、できることが少ない。だから自分は一人で子どものできなさと向き合うしかない」と、仰ったんです。

 

そして「自分はできない親だと思うし、PASTELの先生たちの前ではそんな自分を見せられるけど、別の支援者の方の前ではできない母親だと見られたくなかった」と泣かれたことがありました。

 

同じ状況のママ友の中でもそれぞれが孤独で、支援者にも弱味を見せられないのはつらいでしょうね…。

 

なつみ先生
なつみ先生

ママ友同士だと愚痴れるし分かりあえるんだけど、意外にアドバイスって求めてないと思うんですよね。「うちもやっとるわ!」と言いたくなるでしょうし(笑)。できなさを言われたくない。

 

だから、お母さんの課題やモヤモヤに関しては専門家によるカウンセリングをオススメするようにしていて、「我が子が可愛くない、もう育てたくない」という気持ちが出てきたときは、カウンセリングの場で言った方がいいですよと伝えています。
親同士だから分かりあえるつらさや楽しさもきっとあるだろうし、ママ友だからこそ話せないこともあるでしょうし。ママ友は理解しあえる存在としてお付き合いをし、相談できる専門家を見つけておくことも大事です。

 

さらに子育て以外のお話しができる趣味の合うお友達も作るといった風に、それぞれ役割の違う大切な存在を作る方が良いんですよね。一人のお友だちに全部の役割をお願いすると、うまくいかなくなったときがきついし、異なる役割で話せる人を複数もつことは気持ちの切り替えも助けるかもしれません。

 

周囲が「大丈夫かな?これってSOSかな?」と心配になったとき、どういう風に対応するのが良いんでしょうか?

 

なつみ先生
なつみ先生

たしかに「相談に行った方がいいんじゃない?」ってママ友が言うきっかけは、けっこう難しいですよね。

 

ただ、大きなお世話も時には必要なのではないでしょうか。

大きなお世話が親切に変わる瞬間もあれば、本当に大きなお世話になることがあるかもしれないですけどね(笑)。

大きなお世話になってしまうかもしれないけど、それでもやっぱり心配な方がいたらこんな時期ですし、一度声をかけてみてほしいです。

 

「ちょっと話しない?」と、さりげなく誘ってみてはいかがでしょうか?

かおり先生
かおり先生

 

お母さんたち自身が「もう無理かも…」と思ったり、周囲がSOSを感じたとき、まずどこに相談したら良いかさえ分からない場合もあるかもしれません。具体的には、どんな相談先があるんでしょうか?

 

なつみ先生
なつみ先生

就学前の子育ての身近な相談先は、保健師さんです。就学後であればスクールカウンセラー。あとは医療につながっている方は、小児科のように子どもの困りごとについて、かかりつけのお医者さんを見つけておく。

 

理想は、実際に療育を受ける中で子どもの変化をお母さんが感じられて、その変化についても伝えてくれるような、頼りになる専門家とつながっておくことが大切ですね。公的機関の相談先については下部にまとめているので、そちらもご覧ください。

 

長期休校中のパステルカラーの子どものお母さんがSOSを発信しやすくなるためのポイントまとめ

  1. ママ友同士だからこそ話せること、話せないこともある。
    ママ友や専門家など、役割の違うそれぞれ大切な存在を作るようにしてみましょう。
  2. 時には大きなお世話も時には必要!
    周囲に心配な方がいたら、一度声をかけてみてほしいです。
  3. 子育てで心が疲れたときは、専門家によるカウンセリングがオススメ。
    公的な機関による相談先もあるので気軽に利用しましょう。

 

「子育てについて誰かに相談したい!」と思ったら…下記のような相談先&社会資源があります。
お住まいの地域の該当先にお問い合わせを。

乳幼児~未就学児について相談したいとき

保健師

乳幼児~中高生のお子さんについて相談したいとき

子ども家庭支援センター
18歳未満のお子さんとその家庭を対象に子育ての相談に応じてくれる機関。

悩みごと別の相談先一覧(厚労省HP)http://shienjoho.go.jp

子育て支援短期利用事業(ショートステイ)
保護者の方が、傷病・看護・出張・育児疲れ・育児不安などで、子どもを一時的に育てることが困難になった時に、市が指定する施設で短期間(宿泊)、預かってくれる制度。

◯ 発達障害情報・支援センター
発達しょうがいの診断がある方・発達しょうがいについて気になられている方
[ホームページ] 相談窓口の情報 – 発達障害情報・支援センター