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1日中勃発する兄弟げんかの解決策は?

新型コロナウイルスの感染拡大により、大人でさえ先が見えずに不安な日々を送る中、「見通しがないことが人一倍苦手で不安定になりやすい」パステルカラーの子どもたちの様子が気がかりです。

更には、通常より長時間子どもと接する事になるご両親が、子育ての中で追い詰められてしまっているのではないか、という事も気になっていました。

そこで、発達に気になるところのあるPASTELカラーの子どもの個別療育などを行っている「こども発達療育相談PASTEL」からのメッセージ第四弾!

今回は、長期休校中のパステルカラーの子どもたちに起こりがちな困りごとの一つ「兄弟げんか」への対応方法についてのお話しです。


 

今回のような長期休みには、兄弟間のケンカが増えたなどの相談もありますか? 

 

かおり先生
かおり先生

そういう話は多いですね。やっぱり兄弟で一緒にいる時間が増えちゃうので。

それも結局以前コラムでお話ししたスケジュールの話に戻るんですけど、一緒に何かをさせようとするとトラブルの原因になりやすいので、それぞれにスケジュールを作って活動を提示した方が良いですね。(※初回コラム参照

 

お部屋を分けられるときは別々に過ごす時間を作るなどして、常に一緒にいる状況を環境的に作らないように工夫できればと思います。

 

物理的に別々に過ごせる場所がないという場合も、お部屋の中でエリアを分けてみることはできないでしょうか?

 

お互い背中を向けて座って違う活動をするとか、動画を見るときには音を出さないようにイヤフォンをつけるとか。

そういう工夫やルールがないと結果的に動線がかぶって兄弟げんかになりやすいんです。よくあるケースですが、ゲームをしているときや本を読んでいるときはそういう子たちも絡みに行ってないんですよ。

 

だいたい暇になったから絡みに行って、けんかになってる(笑)。

大好きな兄弟だからくっつきたいんでしょうけどね。

とはいえ、これも兄弟間でパーソナルスペースを学ぶ機会として捉えてみてください。

 

あえて子どもたちを離れさせることで、相手を尊重することを学ぶ、ケンカを防止する、という視点も大事です。

ただ兄弟げんかにも、さまざまな理由が考えられます。

 

私たち専門家は引き出しを持っているから多面的に想定できますが、お母さんたちにとって、そこを毎回判断するのが大変なのかもしれないですね。

なつみ先生
なつみ先生

 

お母さんたち自身で判断できやすくなるポイントがあれば教えてください。

 

まず、問題行動にはさまざまなきっかけが考えられるので、兄弟げんかひとつ取っても、どんなときに起こりやすいのか状況を把握するようにしてみてください。

たとえば、「ルールを守った、破った」でけんかしているのか、テレビを静かに見ているときはケンカしないのに、テレビが終わってすることがなくなった途端に揉め始めるとか。

 

大切なのは、スケジュールを設定することは前提ですし、部屋を分けるなどの環境調整も必要なんですが、そもそも兄弟げんかがなぜ起きているのかを探ってからじゃないと環境調整などの対策も意味をなさない、ということなんです。

 

そのための視点を取り入れて頂くために、私は以前から保護者の方にペアレント・トレーニング(以下、ペアトレ※注1)をオススメしています。

保護者の方からのご相談で「スケジュールを設定しても、部屋を分けても解決しませんでした」と言われることも時々あるんですよ。

 

ただ、それはスケジュールが無意味だったわけでも、お母さんの対応がダメだったわけでもなくて。

「なぜそれが起きているか」を探ることが足りなかったり、ちょっとポイントがズレていただけということも多いです。

 

そういう意味で、ペアトレを活用したり、専門家に相談することで、無駄打ちの対策を減らしてもらえたら…。

なつみ先生
なつみ先生

 

専門家に相談できていないお母さんも多いかもしれませんね。

 

定型発達のママ友さんにパステルカラーの我が子の困りごとを相談しても「うちの子もそういうところがあるから大丈夫よ」と言われてしまい、結局解決しないと困っている方も多いです。

 

そういった意味でも、ママ友さんへの相談とは別に専門家への相談という選択肢も持っておいてもらうと、かなり変わってくると思います。

なつみ先生
なつみ先生

 

かおり先生
かおり先生

今日のコラムの内容を知っていただいて、パステルカラーのお子さんについてのお悩みが少しでも解決できたら嬉しいです。

ただ、すぐ解決とはなりにくいと思うので、それぞれのお子さんの様子に合わせて少しずつ修正も必要になってくるはずです。

 

お母さんがひとりで悩まずに、専門家に相談したり、機会があればペアトレを学んだりしてみてくださいね。

 

長期休校中のパステルカラーの子どもに起きがちな困りごとの対応ポイントまとめ

  1. 何がきっかけで兄弟げんかがよく起こるのかを観察することが大切
  2. お子さんの行動やけんかの原因を観察した結果、頻繁に同じようなきっかけで起きている場合は、原因となっているものを取り除く方法を考えてみましょう。
    暇になるとけんかが起きるようであれば、部屋を分けて過ごすスケジュールを設定をするなどの工夫も必要。
  3. 子育ての悩みを一人で抱えずに、専門家へ相談することも選択肢の一つに

※注1 ペアレント・トレーニング
保護者が子どもの行動を観察して特徴を理解したり、発達障がいの特性をふまえたほめ方やしかり方などを学ぶことにより、子どもの望ましい行動を増やすこと、困った行動を減らすことをターゲットとしています。