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散かり、荒れ放題の部屋。「ウチの子は片付けができない?」 そんな場合の原因と対策!

新型コロナウイルスの感染拡大により、大人でさえ先が見えずに不安な日々を送る中、「見通しがないことが人一倍苦手で不安定になりやすい」パステルカラーの子どもたちの様子が気がかりです。

更には、通常より長時間子どもと接する事になるご両親が、子育ての中で追い詰められてしまっているのではないか、という事も気になっていました。そこで、発達に気になるところのあるPASTELカラーの子どもの個別療育などを行っている「こども発達療育相談PASTEL」からの、メッセージ第三弾!

今回は、長期休校中のパステルカラーの子どもたちに起こりがちな困りごとの一つ「片づけられない/部屋が荒れてしまう」への対応方法についてのお話しです。


 

長期休校中で自宅での滞在時間が長くなると、AD/HD(※注1)の特性を持つパステルカラーのお子さんなどは特に「片づけが苦手で部屋の中がおもちゃで溢れて荒れてしまう」、というお母さんたちの声を耳にします。何か対策があれば教えてください。

 

なつみ先生
なつみ先生

このお話を聞いて気になったのですが、もしも物やおもちゃが、踏んでしまうくらい床一面に溢れていたり、イスなどの家具が動かされているほどの部屋の荒れ具合だとしたら…お子さんが片づけられないという課題と同時に、自由時間を上手に過ごせていないのではないかなという点にも私たちは注目します。

 

例えば、AD/HDに限らず片づけることが苦手なお子さんの場合、興味関心のある活動がその子にヒットしていたら、こういう事態ってほぼ生まれないことが多いんですよ。パステルに来ている子で床に物が散在しているお家だろうなって予想してお話しすると、「先生占い師みたいですね」って言われることがあるんですけど(笑)。私が占い師なのではなくて、彼らによく起こりがちな言動や様子から推測していて。

 

物を散らかしてしまうのは、ほしいおもちゃを探しているっていうことも?

 

 

なつみ先生
なつみ先生

活動に集中しにくい子たちは、物をひたすら出すっていう活動をしがち、ということもあるし、遊べるものがないかなって探しているっていうことなんですよ。

 

でもそれは恐らく「目の前にあるもので創造的に遊ぶことが難しい」という彼らの特性が関係しています。

 

あるもので遊べないというか。その子にヒットするものがあれば夢中で遊んで過ごせることもあるんですけど、それができないのは、遊びのバリエーションの少なさからくるもので。

 

そのバリエーションの少なさから色んなものに手を付けて、結果的に量が増えて、片づけるのが大変で、何をどこに戻していいかが分からなくなる。

 

初めての場所や行き慣れていない場所に行くとき、特に今の時期に同じ室内で長時間過ごすことになっているのであれば、彼らが過ごせるバリエーションを少しでも大人が知っておかないと、たぶん保護者の方が常に怒ってしまう状態になるはずです。

 

過ごせるバリエーションの増やし方っていうのは、その子の興味のあるものをご両親や支援の方がどれだけ知っているかが必要ということですか?

 

なつみ先生
なつみ先生

その通りです。意外にお子さんの好きなものを知らないお母さんたちが多いんんですよね。更に言うと、好きなものがない子もいたりするんです。

 

例えばキャラクターとかゲームとか好きなものが特になかったり。好きなものがあったとしても一週間に1回変わる子もいます。子どもたちのブームってすぐ去りますからね。

 

そういう子たちにとって意外にヒットするのが作業的な活動だったりします。切り貼りをする工作とか、カゴに材料をいくつか入れておいて、この中にあるものは、どれだけでも使っていいよと伝えておく。好きに切ったり貼ったりができると過ごせる子もいるし。

 

自由度が高いと過ごせない子だったら、こういうのが作れるよっていう見本を置いておいてその通りに作るのが好きな子もいるし。お母さんもお子さんもご自宅でお互いがより楽に過ごせるように、少しでも多くのグッズを用意しておくっていうのが色んな場面での強みになります。

料理や洗濯のお手伝いとか、お家のことでも活動として提供してあげていいと思います。自分が出来ることが増えて将来にもつながるしオススメです。

かおり先生
かおり先生

 

 

長期休校中のパステルカラーの子どもに起きがちな困りごとの対応ポイントまとめ

  1. 活動に集中しにくい子たちは、物をひたすら出すという活動をしている場合もあるため、その子の興味関心の高いものを周囲の大人が知っておく。
  2. 切り貼りをする工作や、ご家庭の料理や洗濯などのお手伝いをスケジュールの中で活動として取り入れることもオススメ。

 

※注1 AD/HD(注意欠如/多動性障害)
「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつ。
「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること、などの条件が診断基準となっている。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット)