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その子に合った「ご褒美」の見つけ方とタイミング。

新型コロナウイルスの感染拡大により、大人でさえ先が見えずに不安な日々を送る中、「見通しがないことが人一倍苦手で不安定になりやすい」パステルカラーの子どもたちの様子が気がかりです。

更には、通常より長時間子どもと接する事になるご両親が、子育ての中で追い詰められてしまっているのではないか、という事も気になっていました。そこで、発達に気になるところのあるPASTELカラーの子どもの個別療育などを行っている「こども発達療育相談PASTEL」からのメッセージ第13弾!

「パステルカラーの子どもたちのご褒美の見つけ方とタイミング」についてのお話です。


 

今までのコラム内で、パステルカラーの子どもたちにとって、生活の中にスケジュールを取り入れる大切さについて、何度もお話が出てきました。このスケジュールを成功させるために、子どもたちにとっての「ご褒美」をどうやって見つけたら良いのでしょうか?

 

かおり先生
かおり先生

それぞれ子どもによって違うんですけど、ふだんどんなものを欲しているのか…

 

たとえばお買い物に行ったときに本人が何を欲しがるかを観察するとか、その子の理解度にもよりますが、写真を見ながら選んでもらっても良いです。

 

大好きなおやつがある子もいれば、遊び活動自体がご褒美になる子もいるし、物がご褒美になる子もいます。

 

「ご褒美」というテーマは、かなり難しいんです。

 

PASTELでも実施している「ペアレント・トレーニング」でもこのテーマを扱いますが、まず「ご褒美のアセスメントをする」「頻度」「量」「タイミング」というように、細分化すると、それぞれ1時間以上の講座を開けるくらいのボリュームになります。

 

なので今回はもっとシンプルなテーマとして、ご褒美には「先だしが良いか?後だしが良いか?」という議論について、少しお話しできたら…。

 

結論からお伝えすると、基本的にパステルカラーの子たちには、後でご褒美をあげた方が良いと言われています。時々、ネットで「うちの子どもは先に食べさせてテンションを上げておく方が良い」と保護者の方が書かれているのを見かけるんですが、それは「動機付けを維持できる脳のタイプの子だから」なんです。

 

パステルカラーの子の多くは動機付け(例えば「おやつを食べられてやったー!」という喜び)が、おやつを食べ終わった段階でプチッと切れてしまい続かないんです。多分お母さんたちにとっては、「ぎゃーっ」という子どもたちの癇癪につながるのが恐怖で、先にご褒美を出したいんだと思うんです。

 

子どもたちも最初はご褒美が先でもノッてくれる可能性はあるんですけど、数回後にはうまくいかなくなる…。こどもたちも自分の状況を天秤にかけることはできるので、最初はおやつを食べた後にしていたことでも、次第に後のいやなこと(片付けが面倒くさいとか苦手な宿題をしないといけないとか)まで気もちを続けることができなくて、後の行動をやらなくなることもあります。

 


ご褒美の先出しで他にもよく聞くのは、スーパーで帰り際に子どもの癇癪が起きたときに、泣き止ませるために食べ物を見せて気を引いたり、手に握らせるっていうお母さんたちも多いようです。泣き止ませようと食べ物を見せて気を引いても良いんです。

 

ただ、「ぎゃーっ」と泣いたままでも、本来しないといけない、車に乗り込んでチャイルドシートに座ってシートベルトまで締めたら「はいどうぞ」とおやつをあげてください。それらをせずに泣いている最中に先におやつをあげると、当然ですがその場で食べちゃう。泣けばおやつがもらえるという誤った学習をしてしまい、繰り返す可能性が高いです。

 


そこで、泣いていてもチャイルドシートに座ったらおやつがもらえるという展開にもっていくと、チャイルドシートに座れたことを褒める状況が作れるんです。ちょっとタイミングを変えるだけでも効果がまったく変わるんですよね。

 

こんな風に、達成した後で何か良いことがある、っていうのを彼らに体験してもらうことが必要です。もっと言うなら、「ハッピーはサンドウィッチの方がうまくいく」っていう話をよくするんですが、「本人にとって興味関心がある活動」「ちょっと頑張らないといけない活動」「興味関心が高い活動」という風に頑張る時間をご褒美で挟んであげると、より動機付けが上がって頑張りやすいんです。そうやって頑張りどころのハードルを下げることがとっても大切ですね。

なつみ先生
なつみ先生

 

パステルカラーの子どもたちの「ご褒美」の見つけ方とタイミングのポイントまとめ

  1. 子どもがどんな食べ物(食事・お菓子)が好きか、どんな活動(遊び・課題など)が好きかなどを観察することからスタート!
  2. パステルカラーの子どもたちには、すべきことを達成した後すぐにご褒美をあげた方が良い場合が多い。
  3. 達成した後で何か良いことがあると彼らに体験してもらうことで、継続する動機付けになる。